新築マンション価格はどうやってきまるのか、内訳の秘密
新築マンションの価格はどのように設定するのでしょうか。知ったところで何の得にもならないかもしれませんが、内訳知ることで得なマンション購入ができるかもしれません!!!
どのくらい儲けているのか利益率を先に言いますと、利益率は10%〜20%位です。
例えば戸あたり6,000万円の新築マンションなら、マンション開発会社の儲けは戸あたり600万円〜1,200万円くらいです。
中小企業ほど利益率は低く、大手ブランドマンションほど利益率は高いと、個人的な体験談から推測します。
では、実際にどんな費用がかかるのでしょうか???
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マンション原価の中身
大きく分けると下記の図のように、土地関係費用+建物関係費用が原価となります。そこに広告費(モデルルーム含む)と利益が乗っかり販売価格となります。原価積み上げで価格が決定します。当然、相場からかけ離れた高い価格では売れませんし、わざわざ相場より格安で売るはずもないので、マーケティングをかけ過去の事例などから販売価格を決定します。

販売価格の中身
販売価格の中身は下図のように「マンション原価」+「広告費」+「利益」です。

土地の取得費用
まずは土地関連です。
マンション開発会社(デベロッパーまたはデベと略して言います)は最初から土地を持っている訳ではありません。毎日のように土地情報が開発部署にメールやFAXで届きます。情報を吟味し売れそうな立地か何戸くらい戸数が取れそうかなど商品(マンションに)になりそうな土地を選定します。
よい土地の話がまとまれば、マンション開発会社が土地を購入します。※当然ここまでに色々な問題をクリアし購入に進みます。
土地の購入費用は下記の項目費用がかかります。
- 土地代金
- 仲介手数料
- 登記費用
- 測量費用
- 各種印紙代
- 固定資産税精算等
- 解体費用
- 立退き費用
- 銀行融資関係費
上記費用は全体原価の40%位ではないでしょうか。場合によっては仲介手数料がかからないパターンや解体費がかからないパターン、立退きも必要ない場合があります。
更地で購入する場合は解体や立ち退き料が土地代に乗っかってるので土地値は若干高いですが、直ぐに建築計画が立てやすいので事業期間が短く現金化が早いです。
いかに「安く土地を仕入れるか」が、利益に直結してきます。建築費は全国どこにいっても殆ど変わらなですし、広告費も全国ほとんど変わりません。
建物に関わる費用
建物に関わる費用は下記の項目費用がかかります。
- 建築費
- 設計費用
- 土壌地質調査費
- 電波障害対策費
- 水道加入費用
- 近隣対策費用
- 性能評価費用
- 確認申請費用
- 適合証明費用
- 各種印紙代
- 銀行融資関係費
- 他、予備費用
この中でも一番大きいのは建築費です。単純な建築費は坪当たり90万円〜100万円位でしょうか。設計料は一般的に建築費の3%位。上記諸費用を合わせると建築費の原価は坪100万円〜110万円になり、70㎡で建物原価約2,200万円位が関東の相場ではないでしょうか?(2020年現在)
広告関連費用とモデルルーム費用
これ販売価格に当然含まれてます。バンバンCMしたり、ス○○モなど派手に掲載してる広告費用はマンション販売価格に含まれてます。
広告費やモデルルーム費用は下記の項目があります。
- モデルルーム建築費
- モデルルーム賃料
- 場合によっては地代
- モデルルーム家具
- パンプレット制作費
- ホームページ制作費
- チラシ制作費
- モデルルーム光熱費
- WEB広告費リスティングなど
- ポスティング費用
- 他雑費
モデルルームって一体幾らくらいで建てれると思いますか?
大きく2つに分けると、プレハブ型のモデルルームとビルインのモデルルームです。当然プレハブ型のモデルルームの方がお金かかります。よくある1階が接客ルームで2階がモデルルームになってるあれです。プレハブ型の場合、建築費の他に土地を借りて建てるので地代もかかります。
気になる費用ですが、プレハブ型で3,000万円〜5,000万円、ビルインだと1,500万円〜2,000万円位です。※経験談
モデルルームが豪華なほど、マンション価格に乗っかってます。。。
ただし戸数が大きいマンションほど、モデル費用は薄れますし広告費用も沢山使えます。
中古マンション(個人所有)は広告費など含まれてませんが、新築マンションは価格に広告費が当然のように含まれてます!これは現実です!
新築マンションの利益率
本記事冒頭でも述べてますが、利益は少なくて10%、多くても20%くらいです。70㎡6,000万円のマンションでしたらマンション原価は4,800万円〜5,400万円位です。
売れ残りで10%位下げてくれる物件が稀にありますがデベ側は値引き住戸だけで見たら、トントンか赤字です。全体で見れば利益がでているので値引きができます。
デベ側も銀行融資を利用してプロジェクトを行っているので、返済期日が近づけば中小デベなら赤字でも売る場合は稀にあります。
売れ残った理由は必ずありますが、ほぼ10%以上値引きされてたらかなりお得感はあるのではないでしょうか。
まとめ
最近は建築費と良好な土地値の高騰で業者側の利益はかなり少なくなってます。原価積み上げのため、価格を安く設定するには利益を削るしかないからです。上記で書いた内容は私の経験談ですが、計画通りに売れないマンションは人件費を加味すると実はあまり儲かってないんですよ。
高い高いと(価格が)言われている首都圏のマンションですが、決して業者の儲けが大きくなっている訳ではありません。原価が高いから上がってしまうのです。おわり
※本記事はすべて個人的な体験談です。